環境メディア訪問  

ecomom(エコマム)

家族と自然にやさしい暮らしを提案する雑誌「エコマム」が、ママたちの間で秘かな人気だ。雑誌は、無料。登録をすれば自宅まで届けてくれる、リクエストマガジンというユニークな形態を持つ。「エコマム」を発行する日経BP社と言えば、「日経ビジネス」や「日経WOMAN」で知られる大手出版社。主に経済誌を得意としてきた。そんな日経BP社が、なぜ「エコマム」のようなライフスタイル誌を創刊したのか。リクエストマガジンという形態をとった狙いとは。「エコマム」プロデューサーとして雑誌を取り仕切る、久川桃子さんに話を伺った。

取材/清宮恵子
写真/川上ふみ子

ecomom(エコマム) えこまむ  URL:http://www.nikkeibp.co.jp/ecomom/
特色 「家族と自然にやさしい暮らし」をテーマにしたリクエストマガジン
本社所在地 東京都港区白金1-17-3
設立年月 2005年3月
業種 出版

子供をもつお母さんが楽しく読める、
フリーリクエストマガジン


―エコマムが創刊された経緯を教えて下さい

エコマム誕生の背景には、日経エコロジーという雑誌の存在がありました。日経エコロジーは、当社から99年に創刊された環境ビジネス誌。環境経営やCSRの最前線をビジネスパーソン向けに紹介する雑誌で、今年の6月には創刊10周年を迎えます。創刊当時はエコロジーという言葉がまだ一般的ではなく、環境問題と言えばもっぱら企業に向けられた課題だと思われていましたが、年を追うごとに「エコ」や「環境」は社会的テーマとなっていき、その関心も高まる一方。「企業の環境メッセージを、一般消費者にも発信していく必要があるのでは」という結論に至ったのです。そこで誕生したのが、エコマムという雑誌。2005年3月に、日経エコロジーの別冊として発行されました。現在は年に4回、およそ4万部を発行しています。

―主なターゲットは?

エコマムという名前にある通り、メインターゲットは子供を持つお母さん。環境問題を身近な問題として一番真剣に考えてくれるのは誰か。編集部内で話し合った結果、浮上したのがお母さんたちの存在でした。日々の食事や家庭からでるゴミ、それらはすべて環境問題へとつながっているからです。実際に、エコマム読者のほとんどが、小さな子どもを持つお母さん。年齢は30代~40代が約9割です。環境意識が高い人、というのが共通する特徴ですね。

―フリーリクエストマガジンとは、どのような仕組みなのですか?

エコマムを読んでみたいと思って頂いた方には、Web登録をお願いしています。必要事項を登録して頂ければ、購読料・送料ともに無料。自宅まで定期的に雑誌をお届けいたします。その代わり、読者の方にはアンケートをお願いしています。読者アンケートは5000件近く集まることもあり、皆さん積極的に感想を寄せてくれています。時には厳しい意見もありますが、編集部と読者、双方向に情報を発信するメディアだと自負しています。

―読者からの声は、どのように役立てられていますか?

雑誌をより良くするために企画の感想を聞いたり、掲載した広告について意見を求めたり。すべての広告ページは、エコマムのWEB上に公開することができるんです。そこで「言いたいことがある広告に対して、自由にコメントして下さい。」と読者に呼びかける。すると毎回2,000件ほど回答があるんですね。ポジティブな評価もあれば、当然ネガティブな評価もある。さらにコメント数が多いか少ないかで、各広告の反響というのが見えてくる。率直な読者の声が届きますから、クライアントからも大変好評です。


今年の春にリニューアル
よりエコロジーを根幹に


―人気の企画や、定番の企画を教えて下さい

創刊以来連載している「野口さんちのおうちごはん」は、人気が高いですね。料理研究家の野口真紀さんが、旬の野菜をたっぷり使ったおいしくてシンプルなレシピを紹介しています。料理は一見、エコと無関係ですが、食材を通じて自然を感じることや家族の健康と深い関係があります。それから、企業の工場見学のような、タイアップ記事も結構人気があるんです。企業の取り組みも含め、"もっとエコについて知りたい"という読者が増えているんですね。2009年の3月号からは、誌面を全面ニューアル。ライフスタイル誌というスタンスはそのままに、よりエコロジーを根幹に据えるよう意識しました。世界の食糧事情やリサイクル問題など、時に難しいと感じるようなテーマも、きちんと伝えていければと思っています。

―読者にエコを伝える際、特に気を付けていることはありますか?

事実をしっかり伝えたい、と思いながら雑誌づくりをしています。特にここ一年ほどは、まるでエコがブームであるかのように騒がれていますが、私たちはトレンドにごまかされないエコを伝えていきたいと思っています。そのためには、事実関係や背景をしっかりと伝えること。そして無理のないエコを提案するようにしています。経済活動や便利なライフスタイルを否定せずに、私たちに何ができるかを伝えていければと思います。

―エコマムはWEBも充実していますが、雑誌との違いは?

雑誌は捨てずに取っておくという読者が多いので、より保存性の高い内容を載せるようにしています。ビジュアルにもこだわりますね。 一方のWEBは、旬な話題やニュース性の高いテーマをすぐに扱えることがメリット。たとえば新型ンフルエンザの話題について、生活者の視点で海外からレポートする。そのような場合はタイムリーにお伝えすることが重要なので、WEBを活用しています。 それから、双方向コミュニケーションを実現しやすいのもWEBの良さですね。エコマムコミュニティというSNSには約2,000人の会員がいて、そこでの意見は大変貴重です。編集部ブログも開設しており、平日はほぼ毎日ブログをアップしています。


企業は「エコ」を利用しない
真摯な取り組みで環境に貢献を


―エコに対する心構えとして、大切なことは何だと思われますか?

まず企業が気を付けるべきことは、売るためだけに安易に"エコ"という言葉を利用しないことだと思います。消費者は敏感に察知して、拒否反応を示してしまいます。それよりも、環境問題に真摯に取り組み、本業へ活かすこと。それが消費者の期待なのではないでしょうか。 一方の消費者は、ブームに流されないことが大切だと思います。何が本当のエコなのか?誰にとってのエコなのか?一時的な情報に惑わされることなく、アンテナを張ってしっかりと真実を見極めて欲しいと思います。それから、ひとつの考えに偏り過ぎないバランス感覚も大切だと思います。

―最後に、今後の抱負を教えて下さい

「持続可能な経済社会」を前提に、私たちができることは何なのか。熱心な読者の期待を裏切らないよう、真剣に考えながら提案していきたいと思っています。同時に、読者の声にももっと耳を傾けたい。読者の声を企業や社会へ積極的に発信できる、双方向メディアでありたいと思っています。

―ありがとうございました。



編集後記:

「はじめよう、家族と自然にやさしい暮らし」というコンセプトにある通り、やさしいタッチが印象的なエコマム。今日から取り入れられそうな、暮らしのヒントがたくさんあり、楽しみながら読むことができる雑誌です。一方で、「事実をしっかり伝えたい」と語ってくれた久川さんの真剣な眼差しがとても印象的でした。トレンドにごまかされない、背景までしっかりと伝える......。そのような姿勢が信頼できる雑誌づくりに繋がっているのだとつくづく感じました。今後も、エコマムがどんな情報を発信してくれるのか楽しみにしたいと思います。

担当者様プロフィール
久川 桃子:ecomom(エコマム)

久川 桃子 氏

ecomom(エコマム) プロデューサー

外資系銀行に勤務した後、2002年日経BP社へ入社。日経ビジネスの記者としてホテルや運輸などの分野を担当した。2008年4月から現職。プロデューサーとして雑誌の編集、WEBサイト、コミュニティサイトの運営などエコマムのコンテンツに関わる一切を取り仕切る。一方、自らも三人の子どもを抱えるママとして、家事や育児に励んでいる。

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