環境・CSR担当者訪問  

株式会社損害保険ジャパン

金融機関は、環境問題に対しどのように取り組むべきか―。製造業などと比較し、相対的に環境への負荷が少ないと見なされる金融業だが、損保ジャパンは90年に「地球環境リスクマネジメント室」、92年から地球環境室という部署を設置し、環境問題に取り組んできた。その熱意の表れは、97年に国内金融機関として初めてISO 14001(環境マネジメントシステム規格)の認証を取得したことからも見てとれるだろう。損保ジャパンが考える環境への取り組み、そして果たすべき社会的責任とは? CSR・環境推進室 課長 福渡 潔さんに話を聞いた。

    

記事:清宮 撮影:高田

株式会社損害保険ジャパン かぶしきかいしゃそんがいほけんじゃぱん  URL:http://www.sompo-japan.co.jp/
特色

注力すべきCSR「4つの重点課題:気候変動への適応と緩和、安全・安心へのリスクマネジメント、CSR金融、地域における協働の促進」を明確化し、これらへの取り組み状況を優先的に報告。

所在地 東京都新宿区西新宿1-26-1
電話番号 03-3349-3111
設立 1888 年(明治21年)10月
業種 保険業
資本金 700億円
売上高 連結:1兆8,941億21百万円 単独:1兆3,450億24百万円(2008年3月期)
代表者 取締役社長 佐藤 正敏
従業員数 16,095 名

金融機関の責任とは?
エコファンド・SRIファンド

―現在の環境への取り組みを教えてください

92年に国内金融機関として初めて地球環境室を設けて以来、環境問題への取り組みを継続的に実施してきました。02年には環境方針を制定し、大きく3つの軸で動いています。1つ目は『新商品・新サービスの提供』。リスクマネジメント業務を主体とする損保ジャパンならではの取り組みで、具体的にはエコファンドやSRIファンドなどが挙げられます。2つ目は『省資源・省エネルギー活動の推進』。本社ビルと事務本部ビルはISO14001を導入し環境負荷の低減に取り組んでいます。そして最後が地域への自然保護活動や環境活動を実施する『社会への貢献』です。この3つを軸に、様々な活動に取り組んでいます。

―エコファンドとは?

私たちは、金融機関の責任という意味で社会的責任投資を推進しています。当社のエコファンドは、環境に配慮して事業活動を行う企業に投資する投資信託商品で、99年9月に販売を開始しました。長期的な視点で見ると環境に配慮した企業が業績を伸ばしてくるだろう、という仮説に基づきそのような企業をスクリーニングし販売を開始しましたが、当時の投資理論からするとネガティブな発想ではありましたね。環境銘柄ではないという理由だけで優良な株を省くことになりますから。結果として、今のところ仮説は正しかったと言えるくらい順調に実績を伸ばしており、純資産残高は198.58億円(08年6月末現在)に達しました。また、環境に関してより意識を高めてもらうための環境情報発信もエコファンドの特徴です。環境に関する最新情報を掲載したニュースレターの発行や、週次・月次レポートで各企業の環境への取り組みを紹介しています。

NPOやステークホルダーとの協働が大切

―CSR活動の組織体制を教えてください

始まりは92年。合併前の安田火災に地球環境室という部署が設置されたのが最初です。当時は準備段階で選任が2名、部署設置後は3名からのスタートでした。現在はCSR・環境推進室という部署で社員9名が働いています。

―CSR活動を推進するために大切なことは?

NPOやステークホルダーとの協働です。損保ジャパンは92年から日本環境教育フォーラムと一緒に「市民のための環境公開講座」を実施して今年で16年目になります。それだけ続けられたのも、自分たちだけではなく、NPOからの様々なアイディアやネットワークがあったからこそだと思います。彼らやステークホルダーとの絆をますます深めて、一緒に取り組むことが今後より大切なことだと考えています。

―CSR担当としての主な仕事内容を教えてください

私自身はマネジメントが主ですが、部署としての仕事にはCSR報告書の作成などが挙げられます。報告書では社員110名以上が執筆に参加しました。大変な作業ですが、それによって社員への浸透度をさらに高めたいと思っています。その他、ISO14001がうまく機能するようPDCAサイクルを運用したり、温暖化の国際交渉に関する調査・研究など活動は多岐にわたります。


4年間で約35%のCO2削減に成功

―現在までの取り組みの成果は?

省資源・省エネルギーの部分では、環境マネジメントシステムの導入により2006年度は2002年度と比較して約35%のCO2排出量削減に成功しています。ISO14001の取得が「金融機関で初めて」というのも社員にとっての誇りとなっているようです。仕組みを整えただけではなく、抜き打ちで不在箇所の消灯・未使用OA機器の電源オフなどをチェックする「ECOパトロール」や、ごみの分別が正しいかどうか点検する「コレクターチェック」を定期的に実施しています。これは減点の場というよりは気づきの場としてコミュニケーションを重視しています。

―今後の抱負は?

今一番の課題は、気候変動と生物の多様性でしょう。この2つの中で当社として何を取り組むべきか明確にして目標を立てたいと思います。特に生物の多様性に関しては課題として理解していても、何を会社として取り組めるか明確になっていないので、その部分を掘り起こしたいです。また、紙・ゴミ・電気の省資源・省エネルギーに関しても精神論的な部分だけではもう限界に近いのかなと思っています。設備や業務プロセスの見直しという視点が必要になってくるでしょう。業務プロセスを見直すことは生産性の向上にもつながります。大変な作業ですが、地道に課題の克服をしていくしか道はないのではないでしょうか。

―ありがとうございました。


編集後記:



全員参加・地道継続・自主性がCSR活動を推進するうえでの損保ジャパンのキーワードだということですが、中でも「地道継続」という言葉が損保ジャパンのCSR活動にぴったりくるのではという印象を受けました。特に環境問題のようなものにショートカットはなく、地道にこつこつと努力することが何よりも大切なのかも知れません。

福渡 潔
福渡 潔:大切なのは、NPOやステークホルダーとの絆を深め共に推進すること

福渡 潔(ふくわたり きよし)

株式会社損害保険ジャパン コーポレートコミュニケーション企画部 CSR・環境推進室

88年入社。国際金融部での投融資業務などを経て、94年米地球保護団体「ザ・ネイチャー・コンサーバンシー」に出向。翌年帰国した後、当時の環境庁(現・環境省)国立環境研究所に再び出向。06年からCSR・環境推進室課長。先日会社が主催する社会貢献プログラムでマイ箸を作り、愛用中。

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