環境・CSR担当者訪問  

アサヒビール株式会社

仕事のあとの「1杯」に、至福の時を感じる読者も多いことだろう。お酒は古くから、私たちの生活を豊かにし、喜びや潤いを与えてくれるものとして親しまれてきた。けれどもし、このまま環境破壊や汚染が進んだら......?酒類を提供する会社にとっては、企業の存続にかかわる死活問題となる。「すべてはお客様の『うまい!』のために。」を行動指針として成長し続けたアサヒビール株式会社は、環境問題にどう取り組むのか?大きな社会問題となっている不適切な飲酒問題に対しては?社会環境推進部 担当部長の小沼克年さんに、話を聞いた。

    

記事:清宮 撮影:栗田

アサヒビール株式会社 あさひびーるかぶしきかいしゃ  URL:http://www.asahibeer.co.jp/
特色

アサヒビールグループは、CSR活動を推進していくにあたり、「経営理念」「企業行動指針」「グループ長期ビジョン」に基づき、「アサヒビールグループCSR方針」を策定。重視すべきCSR項目を「6つの優先取り組み項目」として掲げ、さまざまな活動に取り組む。

所在地 東京都墨田区吾妻橋1-23-1
設立 1949年(昭和24年)9月1日
業種 食料品
資本金 182,531百万円 (2007年12月31日現在)
売上高 1,030,736百万円 (2007年1~12月)
代表者 代表取締役社長 荻田 伍
従業員数 3,725人 (2007年12月31日現在)

環境問題や飲酒問題は教育が大切
イベントの開催や啓発ツールの制作で早期教育を

―現在の環境への取り組みを教えてください

かねてより生産拠点での省エネが推進され、近年では自然エネルギーの利用など、温暖化防止対策を継続して行っていますが、最近特に力を入れているのが環境コミュニケーションです。昭和16年から所有している社有林「アサヒの森」では、地元の子どもたちを対象にした環境教育イベント「アサヒ森の子塾」を2006年から実施しています。他にも同年から、高校生を対象にした環境教育「日本の環境を守る若武者育成塾」を実施。将来の社会を担う高校生たちの意識向上に手ごたえを感じています。弊社が出資する風力発電事業「阿蘇にしはらウィンドファーム」では、地元の小学生を対象にした体験学習会「アサヒ・J-POWER風の子塾」も実施しています。環境問題はひとつの企業だけで解決できる問題ではありません。地域社会やNPOと連携をとりながら環境への取り組みを推進したいと考えています。

―CSRという観点では、飲酒に絡んだ事件・事故なども社会的な問題となっています

飲酒運転の撲滅、未成年者飲酒の防止など適正飲酒の啓発活動に業界を挙げて取り組んでいます。特に未成年者飲酒防止に関しては、ビール酒造組合が主体となり「STOP!未成年者飲酒プロジェクト」をビール5社共同で取り組んでいます。アサヒビール独自の取り組みとしては、「未成年者飲酒予防基金」の運営や、小学生向けの啓発ツール「どうする?どうなる?お酒のこと」を制作し、学校での啓発活動にご活用頂いています。これはたいへん好評をいただいており、07年の完成から既に30万部以上を配布しています。08年には、「第6回 消費者教育教材資料表彰」印刷資料部門において優秀賞を受賞しました。


トップの高い問題意識は欠かせない
CSR活動のさらなる推進で「環境経営」へ

―環境活動の組織体制を教えてください

90年代から環境問題に取り組む本社組織は既に存在していましたが、環境基本方針が制定されたのは2000年1月になります。第一次環境中期計画が発表され、2004~2006年の第二次環境中期計画を終え、現在は新たなステージに入っています。私が配属となった2005年4月当時4名だった環境担当者は、現在7名となっています。

―CSR活動を推進するために大切なことは?

トップの問題意識というのは大切ですね。地球環境を守る大切さや社会的責任を果たす重要性については、それぞれの事業との関連性などトップが日頃から話していますから、社員にもある程度その考えが浸透していると思います。ただ、まだまだ課題はあります。社内へもっと浸透させる必要がありますね。

―CSR担当としての主な仕事内容を教えてください

CSRレポートの作成、ステークホルダー・ダイアログの開催、取材、講師依頼の対応、社内会議の開催などさまざまです。アルコール関連問題に関しては世界中で取り組むべき課題となっていますから、国際会議への出席なども多いですね。


営業が「アクセル」ならば、CSRは「ブレーキ」
このバランスをどうとっていくか、が大切

―CSRレポートの見どころを教えて下さい

弊社の中で特に重要と定めた「地球環境の保全」「品質保証の徹底」「適正飲酒の啓発」と、「その他の取り組み」の計4つをカテゴリに分けて編集しています。最初の3カテゴリについて第三者から意見を聞き、コメントを掲載している点も大きな特徴です。社会から求められていることを社員は自覚することができますし、それを記載することで社外へのコミットにもなると考えています。

―今後の抱負は?

環境問題や適正飲酒に関しては社内への浸透により力を注ぎたいと思います。それには自ら出歩いて、対話を深めていくしかない。営業などが「アクセル」とするならば、CSRの部門は「ブレーキ」。アクセルを踏まなければ車は前進しませんが、適切なところでブレーキを踏むのが安全運転につながると思います。このバランスをどうとっていくかが大切だと思います。

―ありがとうございました。


編集後記:



未成年者飲酒防止の啓発ツールを小学生向けに制作していると聞き、「今どきは小学生でも飲酒をするのか!」と一瞬驚きましたが、実際に飲酒をしているか否かの問題ではなく「いつから教育するか」が重要なのだということ。環境問題やアルコール関連問題、いずれも早期の教育が定着の鍵とお話頂きました。短期的な視点と長期的な視点をもって活動に取り組む姿勢に、アサヒビールの真剣さが窺えました。

小沼 克年
小沼 克年:ひとつの企業だけで解決しようとしない 地域やNPOと連携し、教育に力を注ぐべし

小沼 克年(こぬまかつとし)

アサヒビール株式会社 社会環境推進部

1986年入社。入社以来、情報システム部、人事部、生産企画部や品質企画部などさまざまな部署を経験。2005年から現在の社会環境推進部へ。CSRレポート作成や環境への取り組みなど多忙な日々を送る。現在は適正飲酒の推進に力を入れ、未成年者飲酒防止の啓発ツールを小学生向けに制作したり、酒類業界の国内外の会議への出席、酒類業界での協働など国内外問わず活動している。

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