2005年5月に単体でISO14001認証を取得して以来、現在はグループ59社で認証を取得し、グループを挙げて環境活動に取り組んでいます。また、昨年7月に社長を議長とする「環境戦略会議」を設置し、自社の環境負荷削減やコミュニケーション領域における様々な環境課題への対応を進めています。08年11月には業界のトップランナー企業の環境保全活動を促進するために環境省が創設した「エコ・ファースト制度」において、「エコ・ファースト企業」の認定を受けました。エコ・ファースト制度とは、企業が環境大臣に対して環境保全に関する取り組みを約束する制度で、弊社の場合は、オフィスからのCO2排出量を04年度に対して09年度までに13%削減することや、社員のeco検定の受験支援など全部で10項目を約束しています。
社会貢献活動としての環境への取り組みは、グループ社員を対象にした「富士山エコツアーインストラクター」養成講座や世界環境の観測拠点となる富士山測候所の研究活動をサポートする「富士山測候所を活用する会」の支援などが挙げられます。
富士山へ恩返しをしたいという気持ちが大きいからですね。大正14年から始められた電通富士登山は、昨年81回目を迎え、電通社員は昔から富士山に慣れ親しんできました。かつて組織別の競争をしていた時代もあったようですが、近年は新入社員を中心とした登山を実施しています。長い歴史において多くの社員が、登山を通じて富士山から貴重な何かを学ばせて頂いたと感じています。環境保全活動を考える時に富士山のことが出てきたのは、言わば当然の結果と言えるでしょう。
社員とその家族から人権スローガンを募集し、その中からポスターを制作する活動に20年以上取り組んできました。私たちが制作した広告を見て、傷つく人、不快な思いをする人がいないか。私たちは表現する側の立場として、常にその視点を忘れてはなりません。広告会社の社会的責任として表現は生命線です。今後も人権啓発活動に取り組みながら、さまざまな角度で表現について考えたいと思います。
広告会社として培ったコミュニケーションの技術や経験を基に、東京学芸大学と一緒に2007年に立ち上げました。現場で実際に活躍するクリエーターやIMCプランナーたちが教材制作に携わり、実際の授業でもお手伝いをさせていただいています。商品CM、自分探検CM、公共CMの3つのユニットからなるカリキュラムで構成されており、誰に何を伝えるべきか、どのように伝えるべきかなどをCMづくりを通して体験することで、思考力・判断力・表現力を養うことができると先生や生徒からも好評です。
現在は総務局にCSR室を設置しています。CSR室長を私が務め、社会貢献部 8名と環境対策推進チーム 4名の体制となっています。
私たちの会社は社員の行動力・実現力が強みとも言えるのですが、マンパワーだけでCSRを推進するのは限界があります。それぞれの部署やプロジェクトで専門性を活かしてCSR活動が進められていて、全体を把握しづらいのも事実です。また、CSR活動は、形式的に行うのではなく、社員ひとりひとりの意識と行動の総和によって成り立っているべきだと思います。そのためには、プロフィット、ノンプロフィットに関係なく、ひとりひとりが日常業務の中で社会的課題を把握し、それらに対応していけるよう、組織としてどうやっていくのかということも大切だと思っています。
組織的に分散して進められているCSR活動ですが、今後は全ての情報を集約し、モニタリングしたり社内外に発信していく機能を強化していく必要があると思います。さらに、経営戦略と融合した戦略的なCSR活動の推進も図っていきたいと考えます。
「Good Innovation.」。電通が09年1月から抱える企業理念だと言う。「まだまだこれから」だと言う電通のCSR活動。今後はCSR活動においても、この「Innovation」をキーワードに実践していきたいと永妻さんは語ってくれた。優れたアイディアや才能を多く抱える電通が、今後どのような革新を見せてくれるのか。電通の動向に、今後も目が離せない。