環境・CSR担当者訪問  

株式会社電通

「皆、人が好きで、人とコミュニケーションを取るのが好きなんですよ。」"コミュニケーションの力を社会のために"という基本方針のもとに展開している社会貢献活動においても、多くの社員が大小問わずさまざまなプロジェクトに参加してきた。当然の如く、NPOやNGO、他社からの要請も少なくない。ただ、「『電通』として何をしていくのか、どうまとめていくかが重要なミッション。」と、CSR室長の永妻光夫さん。「まだまだこれからの部分が多い。」としながらも、これまでの取り組みについて語ってくれた。

    

取材/清宮恵子

株式会社電通 かぶしきかいしゃでんつう  URL:http://www.dentsu.co.jp/
特色

2004年10月に電通グループの企業行動の基準である電通グループ企業行動憲章を定め、CSRを推進。法令順守、人権擁護、環境保護活動、社会貢献、労働安全衛生、内部統制システムの構築など、企業がかかわるすべてのステークホルダーを視野に入れ、経済・環境・社会面における社会ニーズを「価値創造」に結び付けていくための自主的な取組みであると位置。CSRの実践によって、企業の信頼構築、競争力の向上、持続的な発展を図り、より良い社会づくりや経済の活性化を目指す。

所在地 〒105-7001 東京都港区東新橋1-8-1
電話番号 03-6216-5111(代表)
設立 1901年(明治34年)7月1日
業種 サービス業
資本金 58,967(百万円) (2008/9現在)
売上高 2,057,554(百万円)(2007年度)
代表者 代表取締役社長  高嶋 達佳
従業員数 6,498名(2008年9月30日現在)

多くの社員が学ばせて頂いた富士山
環境保全活動は、「恩返し」でもある

―現在の環境への取り組みを教えてください

2005年5月に単体でISO14001認証を取得して以来、現在はグループ59社で認証を取得し、グループを挙げて環境活動に取り組んでいます。また、昨年7月に社長を議長とする「環境戦略会議」を設置し、自社の環境負荷削減やコミュニケーション領域における様々な環境課題への対応を進めています。08年11月には業界のトップランナー企業の環境保全活動を促進するために環境省が創設した「エコ・ファースト制度」において、「エコ・ファースト企業」の認定を受けました。エコ・ファースト制度とは、企業が環境大臣に対して環境保全に関する取り組みを約束する制度で、弊社の場合は、オフィスからのCO2排出量を04年度に対して09年度までに13%削減することや、社員のeco検定の受験支援など全部で10項目を約束しています。
社会貢献活動としての環境への取り組みは、グループ社員を対象にした「富士山エコツアーインストラクター」養成講座や世界環境の観測拠点となる富士山測候所の研究活動をサポートする「富士山測候所を活用する会」の支援などが挙げられます。

―なぜ富士山への活動が多いのですか?

富士山へ恩返しをしたいという気持ちが大きいからですね。大正14年から始められた電通富士登山は、昨年81回目を迎え、電通社員は昔から富士山に慣れ親しんできました。かつて組織別の競争をしていた時代もあったようですが、近年は新入社員を中心とした登山を実施しています。長い歴史において多くの社員が、登山を通じて富士山から貴重な何かを学ばせて頂いたと感じています。環境保全活動を考える時に富士山のことが出てきたのは、言わば当然の結果と言えるでしょう。


表現は会社の生命線のひとつ
人権について学び的確な判断力を養う

―人権啓発活動にも以前から力を注いでいますね

社員とその家族から人権スローガンを募集し、その中からポスターを制作する活動に20年以上取り組んできました。私たちが制作した広告を見て、傷つく人、不快な思いをする人がいないか。私たちは表現する側の立場として、常にその視点を忘れてはなりません。広告会社の社会的責任として表現は生命線です。今後も人権啓発活動に取り組みながら、さまざまな角度で表現について考えたいと思います。

―小学生のためのコミュニケーションプログラム「広告小学校」も評判が良いとか

広告会社として培ったコミュニケーションの技術や経験を基に、東京学芸大学と一緒に2007年に立ち上げました。現場で実際に活躍するクリエーターやIMCプランナーたちが教材制作に携わり、実際の授業でもお手伝いをさせていただいています。商品CM、自分探検CM、公共CMの3つのユニットからなるカリキュラムで構成されており、誰に何を伝えるべきか、どのように伝えるべきかなどをCMづくりを通して体験することで、思考力・判断力・表現力を養うことができると先生や生徒からも好評です。


ひとりひとりの社会的課題に対する感覚を磨く
組織的に行う啓発や育成が鍵

―CSR室の組織体制を教えてください

現在は総務局にCSR室を設置しています。CSR室長を私が務め、社会貢献部 8名と環境対策推進チーム 4名の体制となっています。

―CSR活動を推進するうえで苦労している点は?

私たちの会社は社員の行動力・実現力が強みとも言えるのですが、マンパワーだけでCSRを推進するのは限界があります。それぞれの部署やプロジェクトで専門性を活かしてCSR活動が進められていて、全体を把握しづらいのも事実です。また、CSR活動は、形式的に行うのではなく、社員ひとりひとりの意識と行動の総和によって成り立っているべきだと思います。そのためには、プロフィット、ノンプロフィットに関係なく、ひとりひとりが日常業務の中で社会的課題を把握し、それらに対応していけるよう、組織としてどうやっていくのかということも大切だと思っています。

―今後の抱負を教えて下さい

組織的に分散して進められているCSR活動ですが、今後は全ての情報を集約し、モニタリングしたり社内外に発信していく機能を強化していく必要があると思います。さらに、経営戦略と融合した戦略的なCSR活動の推進も図っていきたいと考えます。

―ありがとうございました。

編集後記:

「Good Innovation.」。電通が09年1月から抱える企業理念だと言う。「まだまだこれから」だと言う電通のCSR活動。今後はCSR活動においても、この「Innovation」をキーワードに実践していきたいと永妻さんは語ってくれた。優れたアイディアや才能を多く抱える電通が、今後どのような革新を見せてくれるのか。電通の動向に、今後も目が離せない。

永妻 光夫
永妻 光夫:強みは豊富で多彩な人材とマンパワー コミュニケーションの力を活かしたCSR活動を

永妻 光夫(ながつま あきお)

株式会社電通 総務局次長 兼 文書部長 兼 CSR室長

1983年入社。セールスプロモーション、営業を経て、東証一部上場を契機に2002年より総務局、コーポレート計画局に。

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