環境・CSR担当者訪問  

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社

「コーヒーを取り扱い、販売する。それ自体がコーヒー生産地への支援になるのです。」スターバックス コーヒー ジャパン株式会社のCSRチームマネージャー、松本しのぶさんは一点の迷いもない真っ直ぐな瞳でそう語った。松本さんが自信を持って語るのは、スターバックスのミッションとCSR活動を結ぶ、確固としたストーリーが存在するから。CSRはストーリーを語るところから始まる、という松本さん。さっそく「コーヒーCSR」や環境への取り組みについて、話を伺った。

    

取材/清宮恵子

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 すたーばっくす こーひー じゃぱん  URL:http://www.starbucks.co.jp/
特色

コーヒー生産者・生産地の環境・社会・経済すべてにおいて社会的責任を担いながら、高品質のコーヒー豆を安心して計画的に生産し続けるよう支援をおこなう。

所在地 東京都渋谷区神宮前2-22-16
設立 1995年10月26日
業種 サービス業
資本金 83億5641万円
売上高 907億4100万円
代表者 マリア・メルセデス・エム・コラーレス
従業員数 1711名

コーヒー生産者の生活を守ることが、
おいしいコーヒーを提供し続けることにつながる

―「コーヒーCSR」について教えてください

スターバックスでは、コーヒー生産者へのコミットメントやコーヒー生産地への支援を「コーヒーCSR」と呼んでいます。たとえば高品質なコーヒーを栽培する生産者へ対しては、適正な利益が還元されるようプレミアム価格での買い付け姿勢を貫いています。コーヒー生産者の多くは小規模な農家。コーヒー豆の価格は市場相場によって大きく変動しますから、小規模経営の農家は非常に影響を受けやすいのです。生産者の生活を守ることは地域の経済支援にもつながりますが、ひいては「いつまでも高品質でおいしいコーヒーを提供し続ける」というスターバックスのミッションにもつながるのです。コーヒー生産者が安心してコーヒー栽培に集中できるよう、10年以上前からグローバルで取り組んでいます。

―環境への取り組みは?

最近成果を上げ始めた施策として、リユース容器の推進が挙げられます。これはお客様のご希望に応じて店内でお召し上がりのお客様に、使い捨て容器ではなく陶器のマグカップでドリンクを提供するものです。オフィス街から郊外まで立地条件や店舗形態もそれぞれ異なり、繁忙時間帯もあるのでできる範囲は限られますが、少しずつ浸透しているようです。08年秋からは、POSシステムにマグカップボタンを導入しマグカップの需要を見える化しました。今後はより正確なデータを基に、リユース容器の利用を推進したいと思います。

―「マイタンブラー」を持つ習慣も、スターバックスの貢献が大きいように感じます

マイタンブラーを持参すると、全てのドリンクから20円割引するというキャンペーンですね。日本では96年の第一号店オープン当時から導入しています。20円割引を10年以上続けるというのは、簡単なようで実は体力のいること。資源節約やリサイクルに取り組む姿勢の、象徴的存在と言えるかも知れません。日本でも、マイタンブラーを持ち歩く人の姿が随分見られるようになりましたね。


地元から愛され続けること
地域社会への自主的な活動を、CSRチームが支援

―店舗スタッフの貢献活動はどのように推進していますか?

それぞれの店舗が地域社会と信頼関係を築けるよう、自主的な活動を応援しています。3年後や5年後も地域から必要とされ、愛され続けること。それが結果的にスターバックスの成功につながりますから、各店舗真剣に考えてくれていますね。「地域や社会に何か貢献できないか?」と、パートナー(従業員)からボトムアップで声が挙がるのはスターバックスの特徴であり、非常に有難いです。そうは言っても、お店の規模や形態はさまざま。「気持ちはあるけど何からやって良いか分からない。」という店舗も当然出てきます。自主的な活動のヒントや具体的な企画を提供するのも、CSRチームの大切な仕事です。

―具体的にはどのような企画が実現されていますか?

08年12月には、「Book for Two」というコミュニティプログラムが実施されました。不要になった本をスターバックスが店舗にて回収。集まった本は買い取りの専門家により査定・換金され、そのお金が日本点字図書館に寄付されるという仕組みです。私たちはこの企画を持って全店舗に働きかけ、各店舗は店の条件や状況を鑑みて企画に参加するかどうか判断できるようにしました。結果、全800店舗中400店舗が手を挙げ実施してくれました。このようなプラットフォームを用意すると、各店舗から非常に熱い反応があるので、とてもやりがいを感じています。


「さすがスターバックス」と言われる、
ストーリーのある活動を

―CSR活動を推進するうえで大切なことは何ですか?

ストーリーを語ることが、大事なのではないかと思います。なぜコーヒーを売ることが、コーヒー生産者の生活を守ることに繋がるのか?なぜ地域社会との信頼関係が大切なのか?私たちが行う貢献活動が、社会にどのように役立ち、私たちにどのように返って来るのか?そのストーリーをしっかりと共有することができれば、パートナー(従業員)は納得し、積極的にCSRに関わってくれると思います。CSRとは、社員の日頃の選択の積み重ね。いかに語り、共感者を増やせるかが大切だと感じています。

―今後の抱負を教えて下さい

今後考えていきたいのは、コーヒーを提供する際に出る「豆粕」の活用。コーヒーはスターバックスのビジネスのコアです。毎日全国800以上の店舗からたくさんのコーヒー「豆粕」が出ています。これをどのように資源として活かしていくか。一部の店舗ではすでにリサイクルを実施し肥料や飼料の原料としてリサイクルしていますが、ひろく展開していくことは容易ではありません。「スターバックスらしい取り組み」と言われるようなストーリーで、この豆粕をどのように活かしていくか。その問題に今後チャレンジしていきたいと考えています。

―ありがとうございました。

編集後記:

確固たるブランドを築いている感のあるスターバックス。CSR活動においても、「スターバックスがやる意味」が、明確。CSRが事業を後押しするような内容に、思わず納得させられました。秘密は、「ストーリー」。人は、そこに物語があるからこそ共感するものですよね。誇りを持って貢献活動に携わる店舗スタッフの姿が、目に浮かぶようでした。

松本 しのぶ
松本 しのぶ:ストーリーを伝えること 物語が、CSR推進の力になる

松本 しのぶ(まつもと しのぶ)

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 インフラストラクチャー統括 CSRチーム

放送局やIT系の企業で広報・新規事業開発を経験した後、国連の食糧援助機関「WFP」で広報活動に従事。06年5月、スターバックス コーヒー ジャパン入社。社会への興味・関心は幼少期に過ごした米国での生活が原点にある。人々の多様性、異なる暮らしを目の当たりにし、国際的な視野を養っていった。

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