環境・CSR担当者訪問  

株式会社 資生堂

「資生堂の創業者・福原有信の妻・トクは、毎日銀座の町を散歩しながら、すれ違う人一人ひとりに『おはようございます』『ありがとうございます』と挨拶したそうです。閉まっているお店の前では、閉じた扉の前でも頭を下げていたと言われています。」資生堂には、このような"昔話"が数多く存在するという。東京・銀座に「資生堂薬局」が誕生したのは1872年。今から140年近くも前のことである。CSR活動においても、歴史ある活動が目立った今回の取材。総務部CSR室課長の片岡まりさんに、話を伺った。

    

取材/清宮恵子
写真/川上ふみ子

株式会社 資生堂 しせいどう  URL:http://www.shiseido.co.jp/
特色 資生堂ならではの「化粧」を通じた社会活動、「環境問題」への取り組み、お客さまの9割、社員の7割を占める「女性」を支援する活動、お客さまとの信頼関係の基本である「安心・安全」への取り組みに注力
所在地 東京都中央区銀座七丁目5番5号
電話番号 03-3572-5111
設立 1872(明治5)年
業種 化学工業
資本金 645億円
売上高 7,235億円(連結)
代表者 前田 新造
従業員数 3,497名

「美」を通じて心を元気に
50年以上前にうまれた、資生堂のCSR

―資生堂ならではのCSR、「ライフクオリティー ビューティーセミナー」とは何ですか?

高齢者福祉施設や障がい者施設などを訪問し、マッサージやメーキャップを行う活動です。元々当社のビューティーコンサルタントの活動の中から自然に生まれた活動で、1949年から現在まで60年間も続いています。口紅一本でぱぁっと表情が明るくなり、元気になった。女性なら誰しも、似たような経験があるのではないでしょうか。実際に、ある施設ではおむつをしていた高齢者の約3割が、セミナー後自分でお手洗いに行けるようになったと報告されています。お化粧で、心の元気を取り戻す。この活動は皆さんに喜んで頂けるばかりでなく、私たち社員にとっても非常に意味のある活動だと考えています。当社の存在価値や企業理念を再認識するものであり、社員が誇りを持って働くことへも繋がっています。

―「資生堂ライフクオリティー メーキャップ」との違いは?

ライフクオリティー メーキャップは、あざや傷あとなどで悩む方へメーキャップのアドバイスをする活動です。1956年、やけどやケロイドに対応した専用化粧品が発売され、それをきっかけに活動がスタートしました。原爆で被爆し、心身ともに傷ついた方々に、私たちができることはないだろうか。もともとは、そのような想いで開発された商品と聞いています。 現在は商品ラインナップの充実とともに、全国でメーキャップアドバイスを実施しています。また、東京・銀座の本社ビルには資生堂ライフクオリティー ビューティーセンターを開設。専門の研修を受けたビューティーコンサルタントがアドバイスを行っています。セミナー活動とともに、化粧や美容を通じて、少しでも多くの方の元気や自信に貢献できればと思っています。

仕事と育児の両立は男女共通のテーマ
男女ともに、働きやすい環境を

―「女性が働きやすい環境づくり」も社会の大きなテーマ。御社の取り組みは?

私が入社した85年当時は、結婚したら会社を辞めるのが当たり前。子どもを育てながら働くという女性社員は皆無に等しかったと思います。ところが今は、出産による離職率は3%未満。同僚が産休に入れば「いつ復帰するの?」という会話が自然と出てくるようになり、仕事を続けたい女性にとっては、だいぶ働きやすくなってきたと思います。 育児時間の取得期間を小学校3年生まで延長したり、配偶者が海外転勤をする場合は一定期間休業を認めたり。多方面で、仕事と家庭を両立できるような支援策に努めています。 資生堂は、お客さまの9割が女性。社員も7~8割が女性ですから、女性が活躍できる環境づくりは必要不可欠と考えています。

―男性への支援はいかがですか?

数年前、ある男性社員から深刻な声が届きました。「私は共働きで、二人の子どもがいます。会社では毎晩遅くまで働き、家庭では共働きの妻と家事・育児を相応に分担。心身ともに疲れてしまいました。仕事と育児の両立で苦しんでいるのは女性だけではありません。男性への支援策と、育児参加しやすい風土づくりが必要なのではないでしょうか。」 このような男性からの声を受け、2週間以内の育児休業は有給とする制度を、2005年からスタートしました。男性の場合、休みを取りづらいという心理的なハードルに加え、家計への影響を気にした経済的な理由も、育児休業を取得する大きな障害となっていたのです。この制度をスタートさせてから、現在までに50名以上の男性社員が育児休業を取得しています。

CSR活動とは、企業理念の達成
社員の誇りが、CSR推進の鍵となる

―CSR活動を推進するうえで大切なことは何ですか?

私たちが考える資生堂らしいCSR活動とは、企業理念の達成にほかなりません。ですから、企業理念を社員としっかり共有し、社員が仕事に誇りを持てることが大切なのではと思っています。 企業理念を達成するための企業倫理・社員の行動基準に関してはTHE SHISEIDO CODEというブックレットにまとめられ、期間従業員や派遣社員を含む全従業員に配布されています。このTHE SHISEIDO CODEは、事業所ごとに人数に応じて1~8名のコードリーダーを設け、この人たちを旗振り役として全社員へ浸透するよう努めています。

―今後の抱負を教えて下さい

世界中のお客さまが、外見はもちろん心まで美しくなってもらうために、私たちは何ができるのか。それを最終的な目標として、社員一人ひとりが考えられる会社になっていきたいですね。やはり日々の仕事に追われると、つい目標を忘れがちになってしまう。そんな時に、ふと原点に立ち返って考えることができるようなCSR活動を、CSR担当者として開発していきたいと思います。社員が誇りを持って働くことができれば、きっと企業活動やCSR活動に活きてくると信じています。

―ありがとうございました。

編集後記:

事業内容と密接にリンクした、歴史ある活動が印象的な資生堂。長い年月の中で不要なものはそぎ落とされ、意味のあるものだけが残った。だからこそ、"資生堂らしい"CSR活動へ繋がっているのだと感じました。「美」を通じて多くの人へ「自信」や「元気」を与える資生堂。今後のCSR活動にもますます注目したいと思います。

片岡 まり
片岡 まり:社員が誇りを持って働けること それがCSRにも活きてくる

片岡 まり(かたおか まり)

株式会社 資生堂 総務部CSR室 課長

85年、資生堂に入社。国際部や商品開発部、お客さまセンター、経営企画部などを経て08年10月より現職。

PAGE TOP

       
広告
写真で見るニュース
ecoolで商品・サービスをPRする
ecoolでは、環境関連の商品やサービスをもっとPRしたい、インターネットをビジネスに活用したい、商談のチャンスを増やしたい企業様の商品やサービス情報、プレスリリースを無料で掲載できます。
環境関連商品・サービスを探す
注目のキーワード
環境・CSR資料 無料ダウンロード
企業データ
  • 業種別
  • 企業規模別
  • 上場市場別
お知らせ