環境・CSR担当者訪問  

凸版印刷株式会社

世界で最も持続可能な企業を格付けする「グローバル100」に、3年連続で選出された凸版印刷。「グローバル100」はカナダのコーポレート・ナイト社と米国イノベスト・ストラテジック・バリュー・アドバイザーズ社が共同で実施する格付けで、企業を社会・環境・ガバナンスの側面で評価する。凸版印刷は、環境への取り組みが評価されたという。果たしてどのような点が評価されたのか、そして凸版印刷が考えるCSR活動とは。凸版印刷法務本部 CSR推進室室長の山本正己さんに話を聞いた。

    

取材/清宮恵子
写真/川上ふみ子

凸版印刷株式会社 とっぱんいんさつ  URL:http://www.toppan.co.jp/
特色 CSRへの取り組みの具体的な対象となるステークホルダーを、「お客さま」「取引先」「社会・地域社会」「社員」「株主・投資家」の5つに定め、ステークホルダーとの対話に基づいて、活動を進める。
所在地 〒101-0024 東京都千代田区神田和泉町1
電話番号 03-3835-5111
設立 1908年6月4日
業種 その他製造業
資本金 104,986百万円
売上高 1,670,351百万円
代表者 足立 直樹
従業員数 11,181名

「エコクリエイティブ活動」で
環境配慮型製品の開発に注力

―環境への取り組みについて教えてください

凸版印刷では1992年に環境理念である「凸版印刷地球環境宣言」を策定、今年の4月にはこれをグループ全体に広げ「トッパングループ地球環境宣言」に改定しました。グループ全体で持続可能な社会の実現に向けて、積極的に環境活動を推進しています。具体的には、おもに4つの軸で動いています。ISO14001認証のように環境への取り組みを仕組化する「環境マネジメント活動」、社内外との連携をはかる「環境コミュニケーション活動」、そして「エコガード活動」と「エコクリエイティブ活動」です。「エコガード活動」は、事業活動の際に発生する環境負荷を最大限減らそうという取り組み。リサイクルや省エネが「エコガード活動」にあたります。それに対して「エコクリエイティブ活動」は、凸版印刷が持つ技術・サービスを活かした環境ビジネス。環境配慮型製品の研究・開発や環境支援ビジネスがこれにあたります。環境配慮型製品として社内で登録された製品は約90件にのぼり、超薄型DMなど皆さんの生活に身近な製品も多数あります

―環境配慮型製品とはどのようなものですか?

国産の間伐材を活用した紙製飲料容器「カートカン」が代表的な例です。2006年にはエコプロダクツ大賞エコプロダクツ部門「農林水産大臣賞」を受賞し、最近では大手飲料メーカーの野菜ジュースにも採用されています。実はこれ、ヨーロッパの技術を凸版印刷が持ってきたもの。国内のカートカンはすべて凸版印刷で製造しているのです。間伐材を利用したカートカンは、飲料メーカーに納品されるとその売上の一部が「緑の募金」に寄附され、国内の森林整備を行うボランティア団体などの活動資金として活用されていますので、カートカンが普及すればするほど、日本の森を育むことにもつながります。普及にはまだ課題もありますが、少しでも環境や日本の森づくりに貢献できればと思っています。

「情報・文化の担い手として」
識字率向上に向けて教育支援

―CSR活動としては識字率向上の教育支援活動もしていますね

凸版印刷は、2006年に「国連グローバル・コンパクト」へ参加しました。それをきっかけに私たちが何をすべきか考えた時、ミレニアム開発目標の「普遍的初等教育の達成」に着目をしたのです。私たちは、印刷を通じて情報文化の発展に貢献してきました。「情報・文化の担い手として」、教育を受けることが困難な子供たちの識字率の向上を支援したい。そのための第一歩として、2008年2月に「トッパン チャリティーコンサート」を開催しました。チケット収入から得た286万4,190円はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に寄附され、東南アジアの難民キャンプに暮らす子供たちの教材や、教員の養成などに役立てられています。

―CSR活動を推進するうえで大変なことは何ですか?

CSR活動は範囲が広いうえに、定義付けることが難しい。本当に社会の持続的発展に役に立っているのか?ともすると「独りよがり」になってしまいがちなのでは、と感じています。私たちは「独りよがりにならない」CSRを推進するため、CSR推進研究会を立ち上げました。これはCSR担当役員と各部門の部長、そして有識者による討議の場。第三者の意見を仰ぎながら、私たちのCSR活動を定点観測していただこうと考えています。今年第2回目となったCSR推進研究会は2009年2月に開催され、活発な議論が展開されました。

印刷技術の応用で、
社会に役立つ製品開発をめざす

―CSRレポートの見どころは?

CSRレポートは、ステークホルダーとの大切なコミュニケーションツール。積極的な情報開示に努めています。CSRレポート2007では、第11回「環境コミュニケーション大賞」持続可能性報告優秀賞、および第11回「サステナビリティ報告書賞」最優秀賞を受賞することができました。おもにネガティブ情報の開示と人事・労働関係の情報開示が評価されました。

―今後の抱負を教えて下さい

今後は、凸版印刷が持っている技術を活かして、事業としてもっと社会や環境へ貢献できるよう製品・サービスの開発に努めたいと思っています。たとえば、医療現場で使われるSNP(Single Nucleotide Polymorphism 一塩基多型)チップの開発。これは医療用の遺伝子解析システムに用いられるチップで、遺伝子の個人差を調べることで一人ひとりにカスタマイズされた細密な治療法を提供することが可能になります。SNPチップは、凸版印刷がこれまで培った印刷技術、微細加工技術、コーティング技術を応用して開発・製造したもの。今後もこのような製品・サービスの開発を通じて社会的課題の解決に貢献していきたいと思います。

―ありがとうございました

編集後記:

凸版印刷といえば印刷事業ばかりを思い浮かべてしまいますが、ひとくちに「印刷」と言っても出版物にはじまり証券やカード、各社商品のパッケージなど多岐にわたっています。それらの印刷技術は、エレクトロニクスやライフサイエンスにまで応用されており、あらためて凸版印刷の技術力を認識させられました。環境配慮型製品の研究・開発や社会性ある製品・サービスの提供は技術力を持った会社ならでは。今後も凸版印刷の活躍に、期待が持てそうです。

山本 正己
山本 正己:印刷で培った技術を、社会や環境へ役立てたい

山本 正己(やまもと まさみ)

凸版印刷株式会社 法務本部 CSR推進室 室長

凸版印刷入社後、情報・出版事業部にて出版物の営業を担当。05年7月、コンプライアンス部へ異動。07年10月より現職。

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