環境・CSR担当者訪問  

三菱重工業株式会社

日本を代表するものづくり企業、三菱重工。1884年の創立以来、「社業を通じて社会の進歩に貢献する」という社是を掲げ、ロケットから発電設備、環境製品、船舶、家庭用エアコンまでさまざまな製品を提供してきた。そんな三菱重工のCIステートメントは、「この星に、たしかな未来を」。技術力を持った会社だからこそ、その果たすべき役割や責任は大きい。三菱重工は、どのように地球や社会と向き合うのか。CSR推進室の稲垣美知子さんに話を伺った。

    

取材/清宮恵子
写真/川上ふみ子

三菱重工業株式会社 みつびしじゅうこう  URL:http://www.mhi.co.jp/
特色 「優れた技術・製品の提供」を通して、人と地球の未来に貢献し、持続可能な未来を実現していく
所在地 108-8215 東京都港区港南二丁目16番5号(三菱重工ビル)
電話番号 03-6716-3111(大代表)
設立 1950年(昭和25年)1月11日
業種 機械
資本金 2,656億円(2009年3月31日現在)
売上高 33,756億円:(連結) (2008年4月1日~2009年3月31日)
代表者 大宮 英明
従業員数 33,614人(2009年3月31日現在)

"海水から淡水をつくる"
サウジアラビアで大型プラントを建設

―三菱重工の技術は、どのように環境問題へ貢献されていますか?

三菱重工がつくるものと言えばロケットや船、飛行機を真っ先に想像する人も多いと思いますが、エネルギー・環境関連製品・技術も世界各国に提供しています。たとえば風力、水力、太陽光などの自然エネルギーを利用した発電設備の供給や、発生した二酸化炭素を回収して地中に埋めるCO2回収技術など。世界と協力しながら技術や製品の改良に努め、地球温暖化問題の解決に貢献しています。

―サウジアラビアの"海水から淡水をつくる"プロジェクトもその一つですね?

2007年に受注したサウジアラビアの「RO(逆浸透法)海水淡水化」プロジェクトも三菱重工の技術力を活かしたもの。国土の大半が砂漠で年間降雨量の少ないサウジアラビアは、深刻な水不足に直面しています。三菱重工は、海水から日量216,000トンの飲用水をつくる世界最大クラスの「RO(逆浸透法)海水淡水化プラント」を建設することとなり、2010年12月の完成を目指してサウジアラビアで工事をスタートさせています。

"理科ばなれ"の子供たちへ
ものづくりの楽しさを伝える

―CSR活動の取り組みを教えて下さい

小中学校での理科教室開催は三菱重工ならではの取り組みです。ものづくりの魅力を子供たちに伝えたい。それが一番のきっかけですね。子供たちの"理科ばなれ"が進んでいるといわれていますが、今日までの日本を支えてきたのは、科学技術の力。次世代の子供たちにもっとものづくりへの興味・関心を持ってもらおうと、2008年10月からスタートしました。授業内容は各地域によって異なりますが、たとえばコミュニケーションロボット「wakamaru」を題材とした授業。実際のロボットに触れ、コミュニケーションをするなかで、ロボットの仕組みやものづくりの楽しさを伝えています。子供たちや学校関係者からも大変好評で、今後も自社製品を活かした理科授業を継続して実施する予定です。

―地域に密着した活動が多いですね

やはり全国に工場を持っている私たちにとって、地域社会へ貢献したいという想いは強いですね。一番分かりやすい活動のひとつが、清掃活動。今までも各事業所が自主的におこなっていましたが、2008年からはグループ会社を含めた全社統一の活動として実施しました。NPO法人「富士山クラブ」が主催する「ふるさと清掃運動会」に参加し、各地域を清掃。計4,271名の社員が参加しました。これは「ふるさと清掃運動会」にエントリーした企業の中で最も多く、全参加者の約13%が三菱重工グループの社員だったようです。私たちはB to B企業なので、一般市民の方から感謝の声を頂くことは多くありません。「清掃活動に参加すると『ありがとう』の声が直接聞けて嬉しい」という声も多く、社員のモチベーションアップにも繋がっています。

―エコ通勤にも挑戦したとか

三菱重工が全国に抱える工場は公共交通機関へのアクセスが困難な場所が多く、どうしてもマイカー通勤に頼らざるを得ない社員が多い状況です。しかし「少しでも環境問題に関心を持ってもらいたい」という願いから、昨年、試験的に長崎造船所で、長崎県が主催したノーカーデーを4日間実施しました。最初は「車がなかったらとても工場へ通えない」という声が多かったのですが、結果は通算で約4,700台がマイカー通勤をやめ、電車や船、バスなどを利用して通勤しました。毎日となると難しいのが実状ですが、環境意識を高めるのには効果があり、3月には、名古屋誘導推進システム製作所で実施したほか、今後も横浜製作所や神戸造船所などで予定しており、実施する事業所を少しずつ増やしていく予定です。

国内は自律的なCSR活動を推進
今後は海外への貢献にも注力

―今後の抱負を教えて下さい

国内のCSR活動については、少しずつ各事業所やグループ会社の社員へ浸透してきていると感じています。今後は各事業所が自律的にCSR活動を実践できるような風土や仕組みを作っていきたいと思います。 そして今後力を入れたいのは、グローバル社会への貢献。当社の売上のうち55%は海外への輸出で成り立っていますから、CSR活動ももっと海外へ目を向けたいと思います。具体的な施策はこれから検討しますが、途上国に対して、自社製品を通じて支援ができることがあるのではと思っています。

 

―ありがとうございました。

編集後記

とにかく事業のスケールが大きい三菱重工。持続可能な社会を生きるためには、今後も科学技術の力が必要不可欠と言えるでしょう。一方で、CSR活動においては地域に密着した活動も目立ちました。一般市民の方の目に触れる製品があまり多くないだけに、地域の人々との交流を通じて互いの理解を深めている様子に、とても共感しました。

稲垣 美知子
稲垣 美知子:日本を支える

稲垣 美知子(いながき みちこ)

三菱重工業株式会社 CSR推進室

2008年入社。入社以前はNPOの派遣専門員としてフィリピンに熱帯雨林調査へ行くなど、環境問題に携わる。同社の科学技術が環境へも貢献できることを知り、より大きな枠組みで環境問題に取り組もうと同社へ転職した。

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