環境・CSR担当者訪問  

ソニー株式会社

"世界のソニー"として圧倒的なブランド力を誇り続けてきた、ソニー株式会社。環境問題への関心が日々高まる中、世界のリーディングカンパニーであるソニーがどんな活動に取り組んでいるのか、気になるところである。さまざまな環境活動の選択肢が存在するが、ソニーは気候変動への取り組みを重点分野のひとつとしている。実際にどのような施策を行っているのか、CSR部CSRマネジャーの石野正大さんに取材をした。

    

取材/清宮恵子
写真/川上ふみ子

ソニー株式会社 そにーかぶしきかいしゃ  URL:http://www.sony.co.jp/SonyInfo/csr/
特色 ソニーはCSR活動を「二つの持続可能性」への挑戦と位置づけています。
一つ目の挑戦は、「持続可能な企業経営の実現」
二つ目は、「持続可能な社会への貢献」
ソニーは、「For the Next Generation」のキャッチフレーズのもとで、CSR活動に取り組むとともに、ステークホルダーの皆様への適切な情報開示、コミュニケーションに努めています。
所在地 東京都港区港南1-7-1
電話番号 03-6748-2111
設立 1946年(昭和21年)5月7日
業種 電気機器
代表者 会長 兼 社長 CEO ハワード・ストリンガー
従業員数 171,300人 (平成21年3月31日現在)

グリーン電力の積極導入で
オフィスの約50%のグリーン電力化に成功

―環境への取り組みとして、グリーン電力を積極的に導入されていますね。

はい。ソニーグループでは、グリーン電力証書の仕組みを活用して、グリーン電力を積極的に導入しています。
グリーン電力の取り組みを開始したのは、2000年ころ。まず自社での省エネルギーを徹底することは最優先事項として以前から各事業所とも取り組んでいましたが、同時に使用するエネルギーそのものを環境に配慮したものに変換できないか、ということでグリーン電力の導入が開始されました。

―グリーン電力証書の仕組みとはどのようなものですか?

再生可能エネルギーには風力や太陽光、バイオマスなど色々ありますが、個々の企業が直接導入するのはなかなか難しいですよね。風が吹かないと風車は使えないし、太陽光発電設備を設置するにもさまざまな制約がある。グリーン電力証書は、再生可能エネルギーにより発電されたグリーン電力の環境価値を証書化して取引することで、発電所から遠く離れた場所であっても、証書を購入した企業がグリーン電力を使用したと"みなす"仕組みです。ソニーは2000年に電力会社さんと共同でこの仕組みを開発し、以降ソニーグループでグリーン電力証書システムを活用しています。

―現在までの成果は?

国内グループ各社の再生可能エネルギー発電業務委託量は2008年度で5,549万kWh。国内最大級のグリーン電力証書契約企業と言えるかと思います。
2009年10月1日からは、本社ビルであるソニーシティで新たに年間1,600万kWhのグリーン電力証書を契約することとなり、これにより本社ビルの使用電力約50%をグリーン電力化することになりました。これはビル全体の昼間の使用電力量に相当し、その温室効果ガス削減効果は年間約6,800トンとなる見込みです。
グリーン電力の導入は全世界で取り組んでおり、欧州ではすべての製造事業所と非製造事業所(100人以上)で100%グリーン電力化を達成、米国でもさらに施策を強化する予定です。グリーン電力の導入による2008年度のCO2排出削減貢献量はグローバルで約9万2千トンに達しました。


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シュツットガルト・テクノロジー・センター(ドイツ)に設置された太陽光パネル

NPO法人「そらべあ基金」と協力して、
グリーン電力の普及促進に貢献

―NPO法人と協力して、グリーン電力の普及促進にも取り組んでいます。
「そらべあスマイルプロジェクト」とはどのような活動ですか?

ソニーはNPO法人「そらべあ基金」と協力して、グリーン電力の普及促進に取り組んでいます。ソニーが販売する電池の売り上げの一部が「そらべあ基金」に寄付され、その寄付金をもとに全国の幼稚園・保育園へ太陽光発電設備がプレゼントされるという仕組みです。2008年3月から「そらべあ」キャラクターがデザインされた電池を販売しており、昨年度は3箇所の幼稚園・保育園への設備寄贈を支援しました。今年度も現在、寄贈先の幼稚園・保育園を募集しているところです。


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そらべあ基金による太陽光発電設備寄贈式典の様子

―NPO・NGOはたくさん存在していますが、どのような基準でパートナー選びをしていますか?

特に明確な基準は設けていませんが、このようなプロジェクトを推進する場合、わかりやすいストーリーがないとなかなか上手くいかないのではないか、と思います。つまり本来の環境活動や事業といかに合致しているか、ということですね。
「そらべあ基金」はグリーン電力の普及啓発や環境教育事業をミッションとしているNPOで、グリーン電力導入に力を注いできたソニーとの相性が良かった。ソニーはグリーン電力証書システムをつくり、自ら日本最大級のユーザーとしてグリーン電力を活用してきた訳ですから、子どもたちにもグリーン電力を知ってもらう活動をしている「そらべあ基金」への協力はとても自然な流れだったと思います。「そらべあ基金」としてはソニーの電池の売上により安定的な収入が得られますし、ソニーは「そらべあ」キャラクターをパッケージに入れることで他社との差異化が図れる。消費者は「そらべあ」がついた電池を選択するだけで環境活動に貢献できますから、それぞれにとってメリットのある仕組みが作れたという点も、プロジェクト成功の要因だったと思います。


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「そらべあ」のキャラクターをデザインした乾電池

コミュニケーションのポイントは、
正しい情報を、タイムリーに過不足なく

―石野さんの主な仕事内容を教えてください

CSRに関する対外コミュニケーションがメインですね。NGO・NPOなどのステークホルダーとのコミュニケーション、CSRレポートの作成やWEBの作成、広報部署との協働......など仕事は多岐にわたっています。

―CSRに関するコミュニケーションで、大切なことは何ですか?

正しい情報をタイムリーに過不足なく伝えること。それが一番、重要であり難しいことでもありますね。
届けるべき人にきちんと伝わらないと意味がないですから、伝え方にも工夫をしています。例えばCSR活動報告のWEBはテキストが多く専門的な内容が多い。これは専門家などに対しても十分な内容になるよう配慮したもので、網羅的かつ詳細に活動を報告しています。そうすると当然、情報量が多くなってしまうので、ソニーのCSR活動の全体像を手軽に把握したいという方のために冊子版のCSRレポートを「エグゼクティブ・サマリー」と位置づけ、20ページに内容を絞りました。昨年までは50~60ページだったものをぐっとコンパクトにして、WEBとのすみ分けを目指しています。さらに、一般の人にはCSR活動の細かい話は分かりづらいという側面もありますから、一般の方に対してはビジュアル的にも読みやすいスペシャルコンテンツを用意しています。
スペシャルコンテンツでは写真や動画なども多く掲載して、読みやすさや分かりやすさを重視しています。このように同じ内容でも伝え方を工夫することで、正しい情報を届けたい人にきちんと伝えられるよう努力しています。

―最後に、今後の抱負を教えてください。

ソニーがやっている活動をもっとタイムリーに、しっかりと伝えていく。今後も、対外コミュニケーションに力を注いでいきたいと考えています。またソニーだけで何かをやるということではなくて、他企業やNGO・NPOと協力しながら、より幅広い活動を展開していければと考えています。

―ありがとうございました。

編集後記:

取材のため伺った、本社ビルのソニーシティ。使用電力の約50%がグリーン化されているということでしたが、受付近くには環境への取り組みをまとめた社内報「eco press」も配布されており、そんなところからも環境問題への意識の高さを窺うことができました。「eco press」は四半期に一度、全社員に配布されているそうで、アーティストへの取材や製品の開発秘話など読み物としても大充実。WEBでも公開されているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。


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「CSRレポート2009 エグゼクティブ・サマリー」の表紙

最近の動向:サッカーを通じた社会貢献

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ソニーは、アフリカ大陸初のFIFAワールドカップに向けて、CSRプロジェクトである「Dream Goal 2010」を発足。官民・NGOとの連携やソニーの多様なビジネスソースを活用し、アフリカでの国際開発支援を行っている。

「Dream Goal 2010」で行う4つのプロジェクト

・テレビ普及率の低い地域を対象に運搬・防水対策などを強化した機材導入を行うパブリックビューイングin Africa
・アフリカの荒れた大地にも耐えうる耐久性の高いオリジナルサッカーボール'Join the Team'の開発
・大会開催国でありながら、貧困などによりサッカーに触れることのできない南アフリカの子供たちをNGO団体と連携しスタジアムに招待するチケット・ファンド
・世界各地の約40のNGO団体にソニー製品を提供し、市民ジャーナリストを育成することで社会開発活動を行うSiyakhona(シヤコナ)プロジェクト

また、これらの活動に世界中の人々が参加することを目的に「Earth F.C.」を発足。ウェブサイト上での寄付活動を行っている。

ソニーのCSR関連情報:http://www.sony.co.jp/csr
石野 正大
石野 正大:本来の環境活動と合致しているか プロジェクト推進には、ストーリーが必要です

石野 正大(いしの まさひろ)

ソニー株式会社 CSR部 CSRマネジャー

99年ソニーに入社後、環境負荷データ収集、グリーン電力証書導入、環境報告書制作などの環境関連業務を担当。現在はCSR・社会貢献分野に関する広報・Web制作などのコミュニケーション業務や、NGOとの協同プロジェクトなどを担当。

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