環境・CSR担当者訪問  

日清食品ホールディングス株式会社

1958年に世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を、そして1971年に世界初のカップ麺「カップヌードル」を開発した日清食品。創業者・安藤百福が作ったインスタントラーメンは、今や全世界で年間915億食が食され、多彩な食習慣を超えて愛される世界的な食品となった。そんな革新的な食品メーカーとして知られる日清食品が取り組む環境およびCSR活動とは。広報部の安武雅之さんに話を聞いた。

    

取材/ecool編集部
写真/川上ふみ子

日清食品ホールディングス株式会社 にっしんしょくひんほーるでぃんぐすかぶしきかいしゃ  URL:http://www.nissinfoods-holdings.co.jp/
特色 さまざまな「食」の可能性を追求し、夢のあるおいしさを創造していきます。 さらに、人類を「食」の楽しみや喜びで満たすことを通じて、社会や地球に貢献します。
所在地 [東京本社] 東京都新宿区新宿六丁目28番1号
[大阪本社] 大阪市淀川区西中島四丁目1番1号
設立 1948年9月4日
業種 食品
資本金 251億2200万円(2009年3月31日現在)
売上高 3,620億57百万円 (連結・2009年3月期通期)
代表者 代表取締役社長・CEO 安藤 宏基
従業員数 7,408名 (連結)

新たな50年に向けて
「百福士プロジェクト」を推進中

― CSR活動として、「百福士プロジェクト」を推進していますね。どんなプロジェクトなのですか?

2008年の創業50周年を機に、今後50年間に合計100の社会貢献活動を実施し、企業の社会的責任を果たすというプロジェクトです。「百福士(ひゃくふくし)」という名称は、社会貢献に熱心だった創業者・安藤百福(あんどうももふく)の名前が由来となっており、創業者の精神を受け継ぐ社員こそが「百福士」というわけです。安藤百福がインスタントラーメンを開発した経緯も、戦後間もない頃、焼け跡の屋台に一杯のラーメンを求めて並ぶ長い行列を見て、「家庭で簡単に食べられるラーメンがあれば喜ばれるに違いない」と確信したのがきっかけでした。

日清食品グループでは「創造」「食」「地球」「健康」「子供たち」という5つのカテゴリーで社会貢献を推進しています。現在は未来の「地球」のために、お客様とともに行動するプロジェクトとして、「お湯と生きるプロジェクト~インスタントラーメンのお湯でもSTOP温暖化」が始まりました。

― プロジェクト第4弾について、具体的にご説明いただけますか?

自動車ならアイドリング、家電なら省エネというように、他業種ではお客様が自社商品を使用する際のCO2削減に向けてさまざまな提案をされていますが、食品メーカーでは工場でのCO2削減や容器の軽量化など、企業主体の活動が中心だったように思います。一方、弊社では「調理に必要なお湯の目安を教えてほしい」といったご質問を多くいただくなど、お客様の環境意識は確実に変わりつつあると感じています。このプロジェクトでは、お湯を沸かす際のちょっとしたアクションで、約37万トン (2008年に食べられたインスタントラーメン52.5億食 から算出)のCO2排出量を約60%削減できることを、専用ウェブサイトを通じて呼びかることにしました。

― お湯を沸かす際のアクションとは、どんな内容ですか?

カップ麺1食(300ml)に必要なお湯の目安量は350ml程度ですが、大学教授の監修のもとに実測した結果、ほとんどの人は850ml程度もお湯を湧かしてしまい、余計なエネルギーを使用していることが分かりました。そこで、「計量カップを使ってお湯の量を計る」「やかんの底や表面についた水を拭く」「火はやかんの大きさからはみ出ない」「湧いたらすぐに火を止める」という4つのアクションを提案することにしました。カップ麺の愛好者は利便性を追求している方が多いので、弊社では日常生活で簡単に取り入れられるアクションであることを重視しています。

グローバルレベルで
「食の安全」の確保体制を整備

― 御社は食品メーカーの中でも、「食の安全」に向けて徹底した取り組みを行っているようですね。

食品メーカーである以上、弊社では「食の安全」を経営の最重要課題と位置づけています。そもそも創業者が開発の5原則として、おいしいこと、簡単に調理できること、長い間保存できること、手軽な価格、衛生的で安全という5つを挙げており、「食への安全」は創業時からのこだわりでもありました。たとえば、弊社では科学的な根拠によって品質を保証し、お客様が安心できる安全な食品をお届けするために、2002年に食品安全研究所を設立し、食品メーカーとしては数少ない国際的な試験所認定規格ISO/IEC17025を取得。さらに、2005年には中国にも食品安全研究所を設立し、中国産原材料の品質管理や独自の安全基準に基づく監査など、安全性確保に向けた多段階の検査体制を整えています。

― 食品安全研究所での研究実績は、CSR活動にも活かされていますか?

日清食品では、2008年10月、製品から家庭用防虫剤などに含まれるパラジクロロベンゼンが検出されるという問題が起きました。調査の結果、製造過程での混入ではなく、臭いの強いもののそばに保管されたことによる「移り香」であることが明らかになりました。弊社では、インスタントラーメンの保管に関する注意を呼び掛けるとともに、同年12月からバリア性をさらに高めた新ECOカップを導入しました。新ECOカップは、従来の重層構造にPET(ポリエチレンテレフタレート)という5層構造になっており、水分だけでなく臭気からのバリア性も高まりました。このように迅速な原因究明やカップ改良ができたのは、食品安全研究所において普段から多くの研究データを積み重ねていたことが背景にあります。

インスタントラーメンを通じて
さまざまな社会的課題を解決したい

― 日清食品らしいCSR活動というと、どんな取り組みがありますか?

お湯さえあればいつでもどこでも食べられるインスタントラーメンは、災害時の緊急物資としても価値の高い食品です。阪神淡路大震災や新潟県中越沖地震の際も、救援物資としてカップめんを緊急輸送しました。また、通常は量販店などでの無料試食会などで使用する給湯機能付きキッチンカーを現地に派遣しました。海外に向けた支援としては、「世界ラーメン協会(WINA)」を通じて、安藤百福の寄付をもとに設立された「WINA災害食糧救援基金」を活用して、ミャンマーと中国四川省へインスタントラーメン総計100万食を提供するなど、インスタントラーメンを通じて平和的な支援活動を行っています。

― 環境に配慮した製品づくりも進められているようですね。

"楽しく食べて、エコスタイル"をコンセプトに、省資源・省スペースのコンパクトな環境配慮型製品としてリフィルシリーズの拡充にも取組んでいます。これは中身をコンパクトにパッケージした詰め替え用商品で、何度でも洗える専用ガラスカップに入れて、電子レンジか熱湯で調理ができます。マイカップとの組み合わせにより、カップヌードルを作る楽しさ、オリジナルカップで食べる楽しさなど、楽しく食べるエコスタイルが定着していけば嬉しいですね。

― 最後に、今後の抱負を教えてください。

3分間の調理時間で美味しく食べられるインスタントラーメンという食品は、災害時の救援物資として役立ったり、家事の労働時間を短縮するなど、さまざまな社会的課題をクリアしている面も大きいと自負しています。「EARTH FOOD CREATOR」というグループ理念には、ゼロからインスタントラーメンを生み出したように、自然に立脚した会社であることを認識した上で、「食」の可能性を追求していきたいという想いが含まれています。今後も世界中の人々に「食」の楽しみ、喜びを知ってもらうことで、地球に貢献していくことが弊社の使命だと考えています。

―ありがとうございました。

編集後記:

「生き物の根本である『食』を創造し、世の為に尽くす」という創造スピリットのもと、さまざまな苦難を乗り越えながら、「チキンラーメン」や「カップヌードル」などの画期的な食品を生み出し続けてきた安藤百福。そんな創業者の志は企業文化としてしっかりと根付き、「日常生活の見直しを通じて、お客様とともに地球に貢献したい」という社員の熱い想いが伝わってきました。また「"あやしいオヤジを、正しいオヤジに変える!"プロジェクト」と題して、自然体験活動指導者の養成事業を行うなど、同社のCSR活動は常に独創的。これからも私たちをアッと驚かせるような食品を世に送り出しながらも、今後50年に向けたユニークな100の社会貢献活動に期待したいと思います。


安武 雅之
安武 雅之:食べる楽しさ・喜びを伝えることが、私たちの社会的責任です

安武 雅之(やすたけ まさゆき)

日清食品ホールディングス株式会社 管理本部 広報部 主任

98年日清食品入社後、大阪営業部、広域営業部を経て、02年4月、現在の広報部に異動。社外広報の他、環境報告書「Green Plan」の製作や社会貢献活動「百福士プロジェクト」に携わる。

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