環境・CSR担当者訪問  

東日本電信電話株式会社

東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)のCSRは、社会インフラの整備・構築を行う同社の事業活動そのものであるという。その考え方について、総務人事部 総務部門CSR担当の赤坂知亮さんに、また、環境対策についてはITイノベーション部 グリーン推進室の担当課長、廣田聡さんに話を伺った。

    

取材/松本美菜
写真/川上ふみ子

東日本電信電話株式会社 ひがしにほんでんしんでんわかぶしきかいしゃ   URL:http://www.ntt-east.co.jp/
特色 情報通信サービスを通して人・社会・地球がつながるコミュニケーションの発展に寄与。安心・安全な通信環境を提供するとともに、事業活動を通じた環境負荷の低減にも取り組む。
所在地 〒163-8019 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号
電話番号 代表:03-5359-5111
設立 1999年7月1日
業種 電気通信
資本金 3,350億円
代表者 江部 努
従業員数 社員数 5,850人(平成22年3月31日現在)

事業活動に直結する
NTT東日本のCSR

― まず、NTT東日本のCSR対する基本的な考え方について、お聞きします

赤坂:NTTグループとして、2006年にコミュニケーションを切り口としたCSR憲章を発表しています。具体的には、「安心・安全なコミュニケーション」「人と地球のコミュニケーション」「人と社会のコミュニケーション」、そして「チームNTTのコミュニケーション」という4つテーマがあります。その中で、NTT東日本が最も重視しているのは「安心・安全なコミュニケーション」です。といいますのは、私どもは電気通信事業者として、通信を使い、さまざまなものをつなぐことで収益を上げ、社会に還元することを常に意識しているからです。ですから当社の場合、事業活動そのものがCSRであるという基本認識に立ち、さまざまな取り組みをしています。

私たちは、社員一人一人が通信という仕事に直接的・間接的にかかわっています。そのため、1日24時間、1年365日、絶え間ないネットワークの監視制御や保守点検を行い、故障や災害といった有事の際における対応も含め、いかに安心・安全なネットワークをご提供できるかということは生命線でもあるわけです。

ですから、誠実にどんな場合でも対応するということを社員に徹底させ、同じベクトルを向き、事業を遂行していくという姿勢が、私どものCSRの考え方として最も重要視すべきことなのではないかということです。その上で、通信を使っての環境対策や、社会の利便性の向上を図るなど、社会に対する責任を果していくということが重要です。


― CSR目標について教えてください

赤坂:基本的には、先に述べましたCSR憲章の4つのテーマに紐付く形で、それぞれの活動の重点的な項目を設定しています。取り組みの内容は、最終的に、社員一人一人の業務レベルにまで落とし込んでいます。ですから、CSR目標は、単に計画を立て、それをこなすということではなく、社員やグループ内のメンバーの、日々の取り組みや各々の業務のやり方・目標を日常の中で見直しながら、CSR憲章の理念の実現につながっていく取り組みであるということをご理解いただければと思います。

NTT東日本では、2009年4月より、CSR目標の達成と活動の充実に役立てるために、PDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルの導入を始めました。それから1年が経過し、ちょうど、そのサイクルが一巡したところです。


― PDCAサイクルでみつかった課題や目標は、どのようにつなげていくのですか?

赤坂:各々の目標は事業運営と密接にかかわっています。ですから、PDCAにより見えてきた課題や方向性については、それぞれが主管する組織、つまり、該当する事業を第一線で推進している部署が評価・検討し、次年度へつなげていくという流れになります。

目標は、CSR報告書の中でも開示しています。しかし、大切なのは、報告書のための目標ではなく、日常の業務の中で、PDCAを実行し、社内でしっかり取り組むということです。同時に、課題や方向性を対外的に公表することにより、社内の意識を高め、かつ、お客さま、お取引先、株主、社員、行政・行政機関、地域社会といったステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションを活発化させるという狙いもあります。


独自の行動基準で
社員の意識向上を図る

― NTT東日本として、独自に取り組まれている活動はありますか?

赤坂:CSRの一環として、NTT東日本とそのグループ企業で「行動基準」を独自に定めています。これは、2007年に策定したもので、「いつでもどこでもつながる『安心・安全の提供』」「人権尊重、法令・社会規範の遵守」、「地球環境保全に努める」等、7つの項目から成る行動指針です。

当たり前のことなのですが、それを実行するのはなかなか難しいものです。しかし、前向きに、かつ、積極的にチームNTT東日本の顔として行動することが、CSR憲章の実現にもCSR目標の達成にもつながるのではないでしょうか。

私どもは、行動基準を冊子にし、社員一人一人に配布、各自が日常、気軽に業務に照らし合わせ、その行動をいつでも確認することができるようにしています。さらに、それぞれの業務に特化した取り組みの事例等を表にまとめた「信頼マップ」を作成し、冊子に添付しています。 東日本グループだけで全国に約10万人の社員や派遣社員等が勤務していますが、日頃から全員が意識し、しっかりした行動をとらなければ企業としての信頼を勝ち取ることができません。結果的に、そうした行動が、組織として、また、会社としての信頼構築にもつながりますし、それがなければ付加価値を高めることもできません。チームの一員として、自分自身を律し、誇りを持って行動して欲しいと考えています。

通信サービスで物や人の移動を低減化
CO2排出量の削減に寄与

― 環境面ですが、通信を使っての環境対策は、なかなか目に見えにくい部分もあるのではないでしょうか

廣田:情報通信サービスをご提供する会社として、大きく3つの柱を軸に環境負荷の低減に努めています。1つ目は、情報通信をお客様に提供することにより、お客様のCO2削減や電力消費量を低減する取り組みです。

たとえば、「フレッツ光」といったブロードバンドサービスによるネットショッピングの利用です。通信サービスを活用し、物や人の移動を減らすことで、環境負荷の低減が可能です。そのことについて、NTT情報流通基盤総合研究所が試算しています。それによれば、「フレッツ光」で電子メールやネットバンキング、また、ネットショッピング等のサービスを利用した場合と実際の郵便のやりとりや店舗に出向いての物品購入等をした場合のCO2排出量の比較では、「フレッツ光」を利用すると、従来の手段に比べ、戸建タイプでは約46%、マンションタイプでは約39%、年間のCO2排出量が削減されています。

2つ目の柱は、自分達が使用している設備をより効率的なものにすることです。具体的には、省電力の通信設備への更改や、ネットワークの統廃合、また、高効率な空調設備の設置等です。また、運用面においては、空調の設定温度を適切な温度にするといった工夫で、負荷の低減に努めています。
ネットワークでの環境対応に加え、2009年には約4万ボックスある公衆電話に設置してある蛍光灯のLED化や、業務用車両の低公害化を進めています。低公害車両への転換は、既に77%を終え、2012年度までに100%にするよう、推進しています。

そして3つ目は、社員一人一人の環境意識を高めるということです。先に述べた1つ目と2つ目の柱、その両輪をさらに活性化させるという観点からも、当社では、社員参加型環境活動、「アクトグリーン21」を実施しています。

―「アクトグリーン21」とは、どのような取り組みですか?

廣田:NTT東日本と、そのグループ会社を含めますと、いわゆるチームNTT東日本として、約10万人の仲間が働いています。一人一人の取り組みが些細なものであっても、皆の力をあわせれば、相当数の力になります。このヒューマンパワーを活用し、グループとして一体的に取り組んで行こうという考えのもと、2009年の6月に「アクトグリーン21」を立ち上げました。その中身は、社員が直接参加できる環境活動への取り組みが中心となっています。たとえば、毎月5日の環境デーには清掃活動や、社内における省エネ点検などの施策です。これらに加え、トップからの情報発信等を行い、意識啓発や環境意識の醸成ができるような機会を設けるなどのサポートをしています。

「アクトグリーン21」は、もともとNTT東日本グループ全体で従前より取り組んでいる地域社会に根付いた活動や、17の都道県域ぞれぞれの自治体の方々と連携して取り組んでいる活動が土台となっているものです。そのため、地域の意見や現場の声が反映されたものとなっています。環境面については、もともと私どものグループが先行していましたが、今ではNTTグループ全体としての活動に広がりつつあります。

環境に関する全般的なことは、グリーン推進室が中心となり推進していますが、全体的なとりまとめはCSRの部門で行っていますから、相互の部署が連携し、さまざまな活動をバックアップしています。

― CSRや環境への取り組みについて、今後の展望をお聞かせください

赤坂:CSRについては、報告書も含め、どのような情報開示のあり方が、ステークホルダーの皆さまにとり、より利便性の高いものであるのか、今後検討を重ねる必要があると思います。また、CSR目標については、社員一人一人の業務に密着したものに落としこむことを徹底して行うために、どのような目標設定のあり方が適切なのかを考えなくてはなりません。 廣田:環境対策については、2009年度から3本柱を策定し、その骨組みができつつあることから、今後は、その運用面において、組織の中で水平展開したいと考えています。また、事業活動と環境対策を連携させ、全社的な力となるような活動を推進したいですね。

― 本日はありがとうございました

編集後記:

いまや日本では、電話・通信を利用できるという環境は空気のような存在で、私たちはそれがあって当たり前という生活を送っています。けれども、社会インフラであるがゆえに、その裏側では、実にさまざまな活動が行われています。人と人、そして、命をつなぐ社会インフラは、いつでもどこでも必ずつながるように、それを支える大勢の人々によって、大切に守られているのだと、改めて感じました。


赤坂 知亮(写真左)/廣田 聡(写真右)
赤坂 知亮(写真左)/廣田 聡(写真右):CSRの最大のミッションは、「安心・安全」なインフラを社会に提供し続けること

赤坂 知亮(写真左)/廣田 聡(写真右)(あかさか ともあき/ひろた さとし)

東日本電信電話株式会社 総務人事部 総務部門 CSR担当/ITイノベーション部 グリーン推進室

赤坂 知亮
1996年東日本電信電話株式会社入社。埼玉越谷支店営業部、グループ会社(NTT出版)、 千葉支店総務部などを経て、2010年4月より現職。

廣田 聡
1994年東日本電信電話株式会社入社。研究開発センタや企画部、NTT(持株)の経営企画部門などを経て、2010年7月より現職。

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