インタビュー  

株式会社 スマートエナジー 代表取締役 大串 卓矢

代表取締役  大串 卓矢:株式会社 スマートエナジー

「CO2が取引される時代 第三者審査で新しい社会づくりに挑戦」

株式会社 スマートエナジー
代表取締役 大串 卓矢

取材/清宮恵子
写真/川上ふみ子

株式会社 スマートエナジー すまーとえなじー  URL:http://www.smart-energy.jp/
特色 省エネルギー、CO2 削減、CDM に関する検証・認証・監査を主業務とする。
本社所在地 〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-12-14虎ノ門マスターズビル
電話 03-3581-9060
設立年月 2006年6月
業種 温室効果ガス排出量の第三者審査機関
代表者 大串 卓矢

会計士やエンジニアなどプロが集結
CO2排出量・削減量を数値化して審査

―事業内容を教えてください


温室効果ガスの排出量・削減量を審査する第三者審査機関です。環境省および経済産業省による国内排出量取引制度には、第三者による温室効果ガス排出量/排出削減量の審査が義務付けられており、今後も審査の需要は高まると予測されています。カーボンオフセットなどの自主的な取組においても、信頼性や説明責任の透明性を高めるため、第三者審査をとりいれる動きが加速しています。私たちは既に排出権取引での高い実績を収めている会計士・エンジニア・環境金融専門家など、専門家が中心のプロ集団。2006年に会社を設立しました。

―なぜ第三者による審査が必要なのですか?


CO2というのは、目に見えないものですよね。見えないものだけど、CO2の削減は企業や社会にとって非常に重要なミッションとなっている。今まで経営課題にも挙がらなかった環境問題に、企業が数千億円も投入するという時代。CO2がお金のように取引される時代は、すぐそこまできているのです。投資家や一般消費者も「環境」という側面で企業を見るようになっています。だからこそ、企業が発表するCO2の排出量・削減量が正しいものかどうか、第三者の目で確認する役割が必要になっているのです。

公認会計士から環境起業家へ
審査機関のパイオニア目指す

―環境問題に関心を持ち始めたのはいつですか?


大学時代は農学部林学科に所属し、環境問題を学んできました。卒論のテーマも、「企業の社会的責任」。まだCSRという言葉が一般的でなかった時代です。当時からいずれ起業して環境問題に取り組みたいと考えていました。今の日本の大企業と環境問題は相容れない部分が多い。だから起業する必要があるだろう、と。

―すぐには起業せず、大学卒業後は公認会計士として活躍されていますね


まずは企業の財務について知りたいと思いました。93年に中央青山監査法人へ入社し、百貨店からゼネコン、シンクタンクまでさまざまな企業の監査を担当します。その後も起業のタイミングを計っていましたが、会社に環境監査部が設置されることになり、みずから部署異動に手を挙げました。98年のことです。当時会社には4,000~5,000名の社員がいたと思いますが、環境監査部はたったの十数名。まわりから見たら何をやっているか分からない、という部署だったと思います。そこでCSRレポートの監査業務や、排出量の審査業務などを経験することになりました。

―なぜそこから独立しようと考えたのですか?


前職では確かに現在と同じような仕事もしていましたが、あくまで主軸は「サスティナビリティ」。気候変動やCO2はその中の一部であって、全てではない。しかし私は、CO2こそが最重要課題であり、そこに特化したいと考えたのです。

もうひとつは、今までのブランドを捨ててどこまで自分がやれるか、試してみたかった。監査法人のブランドで仕事を続けるのも、一つの選択肢だと思いました。確かに、審査機関はブランドも重要。しかし、能力も同じくらい重要です。まだまだこれからの分野だし、可能性は十分にあると考え、独立という道を選びました。

―現在までの実績を教えて下さい


審査実績は初年度が2社、2年目は4社でしたが、昨年は50~60社にまで増えました。顧客も創業当時は大企業ばかりでしたが、今は町の病院や旅館など多岐にわたっています。今年は200社を目標に掲げて頑張りたいと思います。

環境問題は一国の問題ではない
日本の技術・制度を、途上国へ

―今後のビジョンは?


CO2を取り巻く状況は、今後ますます厳しいものとなっていくでしょう。日本は50年後にCO2排出量を半分にすると言っています。そのためには、社会を根本的に変えないといけない。今おこなっている事業も、これからの社会をつくる第一歩です。一方で、途上国の環境問題をどう考えるのか。いくら日本がCO2削減の努力をしても、途上国が莫大なCO2を排出していれば意味がありません。

日本の技術・制度を水平展開して、途上国をはじめとした諸外国に応用させる。そのために、まずは日本で確固たるビジネスモデルを築いていきたいと考えています。

―途上国での環境問題を考えるとき、何が一番難しいですか?


エネルギーを使うということは、「幸せ」や「豊かさ」と密接に繋がっています。現在の中国では、「豊さ」とは車や家をもつことでしょう。日本では一生懸命働くことが美徳とされていますが、インドネシアでは「あくせく働いて卑しい」と言われてしまう。私たちは多様な価値観のなかで生きており、その中で環境問題を解決していかなければならないので、とても難しい問題ですね。

―最後に、環境ビジネスを考えている方へメッセージをお願いします


環境問題は今、変革期を迎えています。環境問題を取り巻くすべてが、「新しい」「今までにない」という状況です。これは恐らく20年前のIT業界に似ているのでは、と推測しています。ですから、環境ビジネスに今取り組んでいる人たちが、これからの業界をリードするのは間違いありません。パイオニアは苦しいですが、ワクワクするようなこともいっぱい待っていると思っています。

―ありがとうございました


編集後記:


非常に冷静な目で環境問題を見据える大串さん。大学時代に「環境問題に取り組もう」と決めながら、「まずは企業財務を知ることが先決」と公認会計士の道を選択する。誰もができることではありませんが、もっと驚くのはそのビジョンがぶれなかったこと。冷静な視線の奥に、熱い情熱を秘めているようです。世界を見据える大串さんの、今後のご活躍に期待が集まります。

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